空を見上げてごらん、そこにいるのは満天さん。
さて、さて、今夜のお客様は、、、。
~ 学校役員の掟 ~
「満天さん」
『やあ。』
「私ね、素敵なお友達が出来たのよ。」
『おぉ!』
「その素敵なお友達ってね、、、」
『ほう。』
「末娘はやっと6年生。悩んだけど、これからは方針を変えて支援学級に通うことにしたの、今年は小学生最後の年、私も気持ちを切り替えないとね。
これで最後、学校役員も引き受けて、パートも辞めたの。」
『へ~。』
「今は専業主婦ってとこ。仕事辞めて、“ちょっと楽?” な~んてね、思ったりして、それが、これって案外大変なのよ。今まではパートにかこつけ、言い訳が出来たでしょ、それがね~。
いろいろな連絡が来るのよ、ラインに!それも急ぎでもないのに、直ぐ返事が欲しい人がいるのよね。役員の皆さんはお仕事していらしてね、日中に連絡が取れない方も多くて、仕事中は職場に携帯持ち込めないから、休み時間を利用してみたい、だからお昼は必ず私もラインチェ~ック!役員を仕切っている人がいて、そのボスママは一日中ラインしてくるのよ。 “あなた~!仕事していますか~?” って言いたい。私がすぐ返事しないと “仕事してないでしょ、ライン見てよ” って、私、専業主婦だけどそんなに暇じゃないのよね!
うちは主人が自宅で仕事している日が多いの。だから子ども達がうるさいと近くに住む主人の実家に帰って仕事をするのよ。義父は定年退職で今は夫婦で静かに生活をしているのよ、地元の人だから、隣近所の事は何でも筒抜け、私達家族の事もね、、、まあまあ。
私が仕事を辞めて専業主婦をしていることを誰が言うともなく皆さん知っているのよ、当然、末の娘の事もね。
娘が不登校になった時も、近所中、もちろん主人の両親も心配して毎日のように家に来ては、あれこれと、、、そんな地域だから、ボスママやママ友達にも隠し事出来ないしね。私は、私の事をそっとしておいて欲しいの。静かに穏やかに子育てや主婦をしたい。娘が不登校でも、私はそれでも見守っていくことは出来ていたのよ。学校の先生とも、無理強いしないでゆっくりいきましょう、と方向性もしっかり持っていた。でも周囲がね、、、うるさいのよね、ったく!
娘はね、控えめでおとなしい性格なの、静かな子なのよ。自分の世界にいる時がとても幸せなの。それだって学校の勉強もしてるわよ。不登校の時も家でお友達が届けてくれた宿題を真面目にやっていたわ。」
『ほお~、、、』
「今はね、教室も落ち着いていて、登校もして、一人に静かになりたい時は教室の隅の小部屋で本を読んだり、ゴロゴロして落ち着いている。
やっとね、上の子ども達が手も掛からなくなったし、これから末の娘を中心に家庭でも落ち着いて静かに生活できると思っていた。これから1~2年は子育て中心に、今まで手抜きだった家事なんかもちゃんとして、主人にもちょっと見直してもらって、いい奥さん出来るかな~、なんてね。」
『ふん。』
「まさか、まさか、学校役員を侮っていたわ。こんなにも家族よりも束縛されるなんて、それも上下関係も強烈、ボスママって何?まあ、役員の長だけど、この時間の束縛、何?それも、食事の支度や、洗濯する時間まで聞いてくる? “買い物ぐらい早い時間にしたら、ライン見てよ。” “もう夕食、終わったでしょ。チェック出来るよね。” “ご主人、在宅なら家事手伝ってもらえないの。”
あぁぁぁ~、うるさいったら!
役員の集まりに行くでしょ、噂話!あそこのお子さん、あそこの旦那さん、あの子のお母さん、あの子のお父さんって!
役員会議の実際の話なんてね、ほぼそれまでに出来上がっているんだから、ラインで!忘れたらダメ、掟なの。」
『おぉ~!』
「学校役員ってね、それなりにやりたい人もいれば、仕方なくやっている人もいるのよ。率先してやる人はね、周りをグイグイ巻き込んで引っ張ってくれる。ある意味、頼もしい、そういう人がいないとね、分かってるわよ!あぁ、でも、ある意味、面倒くさい。
みんな大人だから、それなりに周りと調和も取りつつ、まあまあ、みんな、頑張っているのよ、それなりに。
最近、私は私との会話ばかり。
私って偉い!よくやっている!って私を褒めてあげる。そんな時、私を分かってくれている人って私しかいないの? と寂しくもなる。それでもこれを繰り返すしかないの。
毎朝、毎晩、繰り返すの。
私!偉いよ!その姿がキラキラしている!今日もたくさんよくやった!私のお陰!
私の言葉が!行動が!態度が!みんなを幸せにしてるんだ~!
ちょっと、傲慢?なんて私に問いかけたら、私の耳元で、私の声で、今がベスト!今のままが一番!って、もう一人の私が応えてくれるの。」
『うん、うん。』
「私の大親友!それは私自身!そんな大切な私に感謝!」
~満天さんのつぶやき~
今、目の前にいる人は誰?
鏡をのぞいてごらん
ここから幸せがはじまるよ。